2012年1月28日に行われた『母乳でつなぐ命Part2』(主催:乳房文化研究会)へ行ってきました。
安斎育郎先生の「からだのなかの放射能」というテーマでの講演がありました。
福島原発事故をうけて、目に見えない放射能というものに大きな不安を抱えて生活を送っています。
京都に住んでいる私達でもこれだけ不安な思いでいっぱいなのに福島原発周辺で生活されている方はどれほどの恐怖や不安を抱えながら毎日の日々を過ごしておられるのでしょう。
安斎先生のお話はとてもわかりやすく、放射線と放射能とはどういうものなのか、放射線被曝の影響はどんなものなのか、どうやって外部被曝や内部被曝から身を守るのか、福島原発事故後私たちは放射能とどう向き合うかといった内容のお話で、もっともっと聞きたい、今小さいお子さんを育てておられるお母さんや授乳中のお母さん、妊婦さん、これから妊娠し、産み、育てていく女性はもちろんのことすべての方に聞いていただきたいものでした。
ここではほんの一部分ですが、聞いてきたことをまとめてみます。
私達が住んでいる地球、宇宙には自然の放射線が存在している。
例:地面を掘ればウランが出てくる。食品に含まれるカリウム40、宇宙線によってつくられるものが太古の昔から降り注いでいる。
人工放射線:人間が創りだしたもの、原爆、原発、レントゲン、エックス線治療、CTなど。
外部被曝:体の外から放射線を浴びること。
内部被曝:体の中に放射線を取り込むこと。
外部被曝から身を守るには
・放射能汚染された表層土を削る、放射能をばらまかない。
・放射線を遮蔽する(削った土をビニールシートで覆いその上から鉄でもコンクリートでも置く)。一番良いのは鉛だが重い、高価で入手も困難。
・線源からの距離を置く(削った土のある場所に近い建物も窓際は被曝線量が高く部屋の中、奥にいくにつれて線量が低くなるため、家の中であれば窓際に家具を置くなど工夫する)。
・放射線を浴びる時間を短くする=被曝時間短縮は最後の手段
内部被曝から身を守るには
体内に入ってくる3つの汚染ルートがある(経口摂取、経気道吸入、経皮吸収)。
・経口摂取を防ぐ(汚染食品や汚染水に注意する、調理などによって減らす)。
・経気道吸入を防ぐ(マスクの着用、汚染表面からの舞い上がりを減らす)。
・経皮吸収を防ぐ(直接皮膚をさらさない、傷からの放射能の侵入を防ぐ)。
・食品汚染を監視、規制し情報を公開、調理による除染効果を知らせる)。
こうやって書いてみると少し難しいかもわかりませんが、先生はわかりやすく次のように仰ってました。
「入ったものは出す!要は便通を良くするということ です。食物繊維をきちんと摂って便通を促し、とにかく速やかに体の外に出しましょう。取り込まないに越したことはありませんが、政府が食品に含まれる放射能の暫定基準を決めてそれを超えるものは市場に出しませんと言っておきながら稲わらや牛肉に実際にはその暫定基準を超えた食品が出まわりました。わざと出したわけではないのですが、放射能の測定体制がもう手いっぱいで、全量検査なんて到底できないんですね。だから私達がスーパーで買っている食品一つ一つが暫定基準以下であるという保証はないということになります。」
「食品を煮炊きすると放射性物質は煮汁の方に出てくるので煮汁を飲まないようにすれば少しは減らせます。塩漬けや酢漬けにしても食品本体からは放射性物質は少なくなると言われています。抗酸化力の高いものを食べる、=赤、黄、緑、紫などの野菜や果物、ペクチンやリコピン、食物繊維、発酵食品を食べて放射線障害に対抗していきましょう。」